Special Feature

花火師たちの夏 -たった5分の物語-

2020年6月1日 20:00

全国の夜空に一斉に花火が打ちあがった。

たった5分間の、奇跡の物語。

緊急事態宣言の発令

  2020年1月16日に日本国内で初めて感染が確認された「新型コロナウイルス」は、瞬く間に日本全国に拡大していき、3月24日には東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定された。

そして4月16日、全国に日本史上初めてとなる「緊急事態宣言」が発令された。


昨年までの外国人旅行者たちの姿は消え、お店からマスクが消え、医療現場はひっ迫した。

世界の国々と同様に、日本も出口の見えないトンネルに入っていった。

 
2020年1月16日に日本国内で初めて感染が確認された「新型コロナウイルス」は、瞬く間に日本全国に拡大していき、3月24日には東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定された。

そして4月16日、全国に日本史上初めてとなる「緊急事態宣言」が発令された。

昨年までの外国人旅行者たちの姿は消え、お店からマスクが消え、医療現場はひっ迫した。

世界の国々と同様に、日本も出口の見えないトンネルに入っていった。

休業・休校・中止

  緊急事態宣言の発令後、ホテル、飲食店、娯楽施設、様々なお店が臨時休業となった。

企業は勤務体系をテレワークに変え、世間では「外出自粛」「ステイホーム」が合言葉になった。

街から人が消えた。
     
  全国の学校も一斉休校になり、町から子供たちの声が消えた。

修学旅行や遠足、教室での休み時間、かけがえのない時間が消えていった。

スポーツの全国大会も軒並み中止が決定し、5月20日には戦後初となる「夏の全国高校野球」の中止が発表された。

そして、夏のイベントも次々と中止が決定されていく。

 
緊急事態宣言の発令後、ホテル、飲食店、娯楽施設、様々なお店が臨時休業となった。

企業は勤務体系をテレワークに変え、世間では「外出自粛」「ステイホーム」が合言葉になった。

街から人が消えた。
 
 
全国の学校も一斉休校になり、町から子供たちの声が消えた。

修学旅行や遠足、教室での休み時間、かけがえのない時間が消えていった。

スポーツの全国大会も軒並み中止が決定し、5月20日には戦後初となる「夏の全国高校野球」の中止が発表された。

そして、夏のイベントも次々と中止が決定されていく。

消える夏の風物詩

  立ち並ぶ屋台、夜空を彩る大輪の花火。

夏の風物詩であった夏祭りも、各地で次々に中止が発表された。

いつもより肌寒い夏が近づいていた。
     
  花火師たちは毎年の夏祭りに向け、1年を費やし花火を制作する。

全国の夏祭りが次々と中止になる中、倉庫には行き場を失った花火の玉が積まれていた。

夏の夜空に咲く花が、消えようとしていた。

 
立ち並ぶ屋台、夜空を彩る大輪の花火。

夏の風物詩であった夏祭りも、各地で次々に中止が発表された。

いつもより肌寒い夏が近づいていた。
 
 
花火師たちは毎年の夏祭りに向け、1年を費やし花火を制作する。

全国の夏祭りが次々と中止になる中、倉庫には行き場を失った花火の玉が積まれていた。

夏の夜空に咲く花が、消えようとしていた。

1人の花火師の言葉

  そんな時、一人の花火師が何気ない会話の中で言った。

「花火の本来の意味って悪霊退散じゃなかったですか」

ちょうどこの時、日本では「アマビエ」という悪霊退散に効果がある妖怪が話題に上がっていた。

「社会が下を向いてしまっている今、花火で上を向いて進んでほしい」
     
  この想いはSNSを通じて一気に日本全国の花火師に伝わった。

前例もない、準備期間もない、誰かがお金を出してくれるわけでもない。

それでも、全国約160の事業者が即座にこの想いに賛同した。

疲れ切った社会を元気にする「たった5分の奇跡」が始まろうとしていた。

 
そんな時、一人の花火師が何気ない会話の中で言った。

「花火の本来の意味って悪霊退散じゃなかったですか」

ちょうどこの時、日本では「アマビエ」という悪霊退散に効果がある妖怪が話題に上がっていた。
 
 
「社会が下を向いてしまっている今、花火で上を向いて進んでほしい」

この想いはSNSを通じて一気に日本全国の花火師に伝わった。

前例もない、準備期間もない、誰かがお金を出してくれるわけでもない。

それでも、全国約160の事業者が即座にこの想いに賛同した。

疲れ切った社会を元気にする「たった5分の奇跡」が始まろうとしていた。

いつ、どこで打ち上げるのか

  花火が始まると人々が密集してしまい、感染リスクが高まってしまう。

しかし突然打ち上げると周辺の住民が驚いてしまう。

全国の花火師たちは、それぞれの打ち上げ場所を探しながら、解決策を探った。

結果、打ち上げ日時のみ公開し、打ち上げ場所は非公開にした。
     
  そして人々が集まるのを防ぐため、打ち上げ時間は「5分間」と決めた。

 
花火が始まると人々が密集してしまい、感染リスクが高まってしまう。

しかし突然打ち上げると周辺の住民が驚いてしまう。

全国の花火師たちは、それぞれの打ち上げ場所を探しながら、解決策を探った。

結果、打ち上げ日時のみ公開し、打ち上げ場所は非公開にした。
 
 
そして人々が集まるのを防ぐため、打ち上げ時間は「5分間」と決めた。

 
 

2020年6月1日 20:00

全国約200ヶ所から一斉に花火が打ちあがった。

人々は久しぶりに夜空を見上げた。

たった5分間の花火だったかもしれない。

けれど私たちはこの時、今までの日常を思い出し、上を向くことができた。

これから迎える、新しい日常を進んでいく勇気をもらえた。

失ったものは大きいけれど、新たな1歩を踏み出す大切さに気付いた。

感動と元気を、本当にありがとう。


- たった5分間の、奇跡の物語。-

たった5分間の花火だったかもしれない。

けれど私たちはこの時

今までの日常を思い出し、上を向くことができた。

これから迎える

新しい日常を進んでいく勇気をもらえた。

失ったものは大きいけれど

新たな1歩を踏み出す大切さに気付いた。

感動と元気を、本当にありがとう。



- たった5分間の、奇跡の物語。-


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